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2018/11/13

風疹の流行を止めるには

今、風疹が流行しています

こちらのサイトでは様々な情報がまとまっている他、風疹の予防接種を受けていない世代か否か、生年月日から調べることができます。

初期の妊婦さんが風疹にかかと、赤ちゃんの耳や目、心臓などに障害が出るおそれがありますが、ワクチンで防ぐことができる感染症です。

Buzz Feed 2018822日配信
『先天性風疹症候群で亡くなった娘の宿題 同じ思いをする親子を二度と出さないために
ワクチンで防げる感染症なのに、再び流行が始まっている』


風疹は妊娠初期の女性がかかると、お腹の中の赤ちゃんに生まれつきの障害をもたらす危険があります。しかし妊娠中はワクチンを接種することができません。そのため、神奈川県では「風疹撲滅作戦」を実施しており、今年度中は妊娠を希望するご夫婦を対象に無料の風疹抗体検査を実施しています。

受けられる医療機関のリストや詳細については、以下をご参照ください。

[風しんワクチン接種歴の学年・年齢の目安]


一番効率的に予防できる方法は予防接種なのですが、過去の制度が変遷しているので、生まれた年によって予防接種を受けていない世代の方がいて、特に成人がかかりやすい状況になっています。

各自治体では、妊娠を予定・希望している女性とその配偶者は、風疹の予防接種費用の助成が受けられるようになっています。当院の近隣自治体の助成につきましては、以下をご参照ください。

[逗子市]
[鎌倉市]
[葉山町]

2017/10/24

経穴と経絡2


経穴(けいけつ)、いわゆる「ツボ」とは何でしょうか?
簡単にいうと、体表にある鍼灸治療をする点であり、かつ反応を見る点です。

経穴は皮膚の表面にあるのかというと、そうでもなく、もう少し深くもあり・・・
位置についてはWHOでも標準化されてものがありますが、さらに詳しくは手先の感覚で探ります。
少しでもずれると効果がないのかというと、そうでもないと思っています。
私見ですが、ダーツの的のようなもので、ピンポイントで刺激が届くほど効果が高いと感じます。
ですので、私たち鍼灸師が細い針やとても小さいお灸をするためには、より効果がある位置を探り当てる感性と技術が必要となりますが、患者さんがご自身でお灸やケアをするときは、もう少し面的に広いもので刺激をすることで、ツボに当たりやすくなるように方法を選んでお伝えしています。
経穴についての、いろいろな説明はこちらもご参照ください。
https://kotobank.jp/word/経穴-58650



2017/10/23

経穴と経絡1


いわゆる「ツボ」と呼ばれるものは、正しくは「経穴:けいけつ」と言います。
この経穴は全身に約360種類、左右対称にあるものがほとんどなので、約700個の経穴が体に存在します。
頭や顔、背中、胸、背中、腕、手、脚、足にたくさんありますが、なんとなく散らばっているのではありません。経穴を駅だとすると、それらをつなぐ線路のような「経絡:けいらく」と呼ばれるものがあります。

横須賀線、東海道線、京浜東北線など、線路に名前があり、それぞれ平行もするけれど行き先が違っているのと同様、経絡にもそれぞれ名称があり、交わるところもあれば、平行しているところもあり、それぞれに行き先が違っています。主な経絡は14本です。
主要な路線が乗り入れるメジャーな駅と味はあるけれど各駅停車の駅があるのと同様に、経穴もよく用いられるメジャーなものから、特徴的に効くけれどマイナーなものがあります。


2017/10/22

腹診


東洋医学の診察方法、四診(望診、聞診、問診、切診)中の切診方法の1つが腹診です。
患者さんのおなかに触れて体調を判断します。
診ているのは、温度や弾力、硬結の有無などで、そこから上下のバランスや臓腑の働き、パワーの有無を判断します。
妊婦さんは、また別で赤ちゃんの位置なども含めて、そっと触れつつ、拝見します。



2017/10/17

舌診


東洋医学の診察方法、四診(望診、聞診、問診、切診)中の望診(見る診察)の方法の1つが舌診です。
患者さんの舌を拝見すると、身体の内側の状態をうかがい知ることができます。
チェックしているのは色、形、苔などです。
淡紅、薄白苔というのがノーマルな状態と考え、そこからの傾きによって体調を判断します。
舌の状態は脈ほどは早い変化がない分、ここ数日の健康状態を正直に表してくれているように思います。
私自身も、食べ過ぎ飲み過ぎの翌日は苔が厚くなっていたり、むくんでいる時は舌もむくんで歯型がついていたり、疲れてパワー不足の時は、部分的に苔が剥げてしまっていたり…といった変化があります。
こどもの舌も、日々見ていると変化があります。胃腸が弱っている時は苔が白く目立ちます。
そんなに変化するのかな?と思う方は、ぜひ毎日鏡で観察してみてください。日々の変化に気づかれることと思います。



2017/10/16

脈診


鍼灸治療を行う前には、四診(望診、聞診、問診、切診)という四種類の診察を行います。
その中の切診(触れる診察)の方法の1つが脈診です。
患者さんの両手首の橈骨動脈に施術者の第2-4指の3本を置いて、脈に触れます。
これは単に脈拍数をカウントしているのではありません。
脈の深さ、リズム、太さ、各指先で触れる脈の強弱などを診ています。
その脈の状態によって体調を判断します。
健康状態が著しく傾いた方は、特徴的な脈があらわれやすいのですが、健康な方ほど、変化が微細です。
脈は変化しやすいので、当院では、診断するための情報の1つとして、そして治療前後の体調の変化の参考として、利用しています。





2017/10/15

東京ディズニーランドから学ぶ行動基準

生まれて初めてお給料を頂いたのは、東京ディズニーランドでした。
大学進学のため上京し、千葉の親戚の家から都内の大学に通う中間地点にあったのが、舞浜駅。
千葉に住んでいたのが奏功したのか、東京ディズニーランドのキャストとして採用してもらいました。
(お客様をゲスト、従業員をキャストと呼びます。)
初めて外で働く経験となったTDLで受けた教育はインパクトがとてもあり、今も残っているように思います。
その行動基準は「SCSE」というものです。
____
Safety(安全)
Courtesy(礼儀正しさ)
Show(ショー)
Efficiency(効率)
____
この4つの鍵は、優先順位の高い順に並んでいます。
優先順位を守り行動することによって、ゲストにハピネス(幸福感)を提供することができると教わりました。
効率が最後に来ているのが特徴的だと思います。
効率は大切ですが、安全や礼儀正しさ、ショーを無視して効率を優先しても、ゲストにハピネスを提供することはできないという考えのもと運営されています。
(ちなみに、この行動基準で他の飲食店でアルバイトをしたら怒られました…。私のノンビリさゆえだと思いますが…)
その後、様々な仕事や職場を経験し、今に至りますが、開業している今、この行動基準に基づいて動いている自分に気づきます。
たくさん患者さんがいらっしゃる職場も経験しましたが、今はベッド1床の小さな小さな治療室。
じっくり丁寧に治療ができる環境を選び、それが私としても心地よいのは、この働き始めの原点回帰ができているからかもしれないと感じています。
ちなみに…
「ショー」というのは、パーク内のあらゆるものがテーマショーという観点からのおもてなし行動を指しているのですが、私が通っていた専門学校の理念の「私たちの学ぶ技術は、芸術であり…」という部分につながるように思いました。

2017/10/14

鍼灸学校の教え

私は大学時代の卒業研究で鍼灸と出会い、2年間の会社員生活を経て、鍼灸の専門学校の夜間部に入学しました。
3年間、週6日、17:50-21:00まで通った専門学校は大森ー蒲田間の京浜東北線に乗っているとSLのある公園の隣に見えます。
そしてその外壁には
「私たちの学ぶ技術は
芸術であり 科学であり 職業でもある」
という教育理念が書いてあります。
在学中は、この「芸術であり」というくだりが今ひとつピンとこず、理解しきれていない…どころか、むしろ謎でした。
鍼灸師になって15年目となり、今なら少しわかる気がします。
治療や技術だけでなく、患者さんをお迎えし帰っていただくまでの時間の振る舞い、思い、言葉、全てが大切なのだと。
本来の理念とは、異なる解釈かもしれませんが、技術や科学を包む人間的な何か…このことを言っているのではないかと思う今日この頃です。

2017/10/13

治療の前に必ず行うこと


どこがどのように不調なのかと今日のご体調を知り、適切な治療を選ぶために、治療の前に診察を行います。
四診といって、4つの方法でご体調の情報を集めます。
望診(ぼうしん)視ることよる診察
聞診(ぶんしん)聴くことよる診察
問診(もんしん)お話からの診察
切診(せっしん)触れることによる診察
-----
望診
全体のご様子の他、舌診といって舌の様子を拝見します。
聞診
声の調子や呼吸音などをお聴きします。
問診
初診の方は問診票を用い、お話しながらご体調についてお伺いします。
切診
脈やおなか、各所のツボを触れながら、その様子からご体調を判断します。
-----
これらを統合して、なぜその症状が起きているのかを予測し、治療として鍼灸を優先すべきか、医療機関にかかるべきかも含めて、状態を判断します。
鍼灸を受けていただけると判断できた場合は、東洋医学的な診断を行い、治療方針を立てて、ツボを選び、実際の鍼灸治療に入っていきます。


2017/10/12

鍼灸の目的


東洋医学の概念は中国の思想からくるキーワードがたくさんありますが、化学や物理、生理学の概念とも相似することがたくさんあることに、私は、おもしろさを感じています。
若い頃に学んだ時は、概念的でピンとこなかったことも、ああ、こういうことを言っていたんだな・・・と後になって思うことも多々あります。

どういう考えのもと、東洋医学的な診察をし、ツボを選んでいるのか、少しずつご紹介したいと思います。
鍼灸の目的は東洋医学では、主に、
1.調和陰陽
2.疏通経絡
東洋医学では「不通即痛」流れが滞ったところに、痛みが生じると考えます。

とされています。
「調和陰陽」というのは別の言葉で置き換えると、ざっくり言って自律神経の調整が近いのではないかと思います。
交感神経、副交感神経に働きかけて、偏りを調整し、内臓機能を整えることは、鍼灸の得意分野です。
「疏通経絡」というのは、経絡を通すという意味。
疼痛緩和というのも、今わかっている鍼灸の得意とする効果の1つです。特に、筋筋膜性の疼痛には効果が高いように感じています。


2017/10/08

透熱灸


こちらは、当院でメインで用いるお灸です。

灸:経穴いわゆるツボを熱で刺激することで、その道具となるのが、艾(もぐさ)です。

写真の黄色いフワフワが艾です。
ヨモギの葉っぱからできています。

この艾を色々な形に成形して用いますが、当院で多用しているのは、透熱灸というタイプのお灸。
(お灸教室でオススメしているのはまた別で、もっと手軽なタイプです。)

半米粒大の円錐状に捻り、お灸用の特別なお線香で火をつけます。
艾にも茶葉のように等級があるのですが、お肌の上で直接燃やすタイプの透熱灸には、最上級のグレードのものを用いています。

夾雑物が少なく、フワフワしているものほど良いものとされ、シュッと燃えてくれるので、心地よいお灸になります。

捻り方にもコツがあり、崩れない程度にやわらかくホワッと捻るとあまり熱くなりません。

学生時代はペーパータオルの上にまずお灸をして、穴が開かないように、程よい温度のお灸がひねることができるようになったら、人にお灸をしていいことになっていました。

でも、実技のテストで先生に凝視されていると手汗が噴き出し、硬くボソボソしたあつーいお灸になってしまう…というのも今となっては懐かしい思い出です。

今は熟練度が増したのか、手に潤いがなくなったのか、汗でお灸が湿ることもなくなりました。

目的に応じて、刺激量や数を調節するのですが、基本的には、ホワッとした心地よいお灸をしています。もちろん火傷や跡にならならないように細心の注意を払っています。

「灸を据える」というとお仕置き的な意味がありますが、実際には飛び上がるような熱いお灸を我慢する必要はありません。心地よくて効果があるギリギリのラインを目指しています。
このお灸、開業して一人の患者さんにつきっきりで治療ができる環境となり、鍼を刺しておく間に、ゆっくりたっぷり使わせてもらうことで、改めて効果を実感しています。





艾(もぐさ)です。お肌の上で直接燃やす透熱灸には、最上級のものを使います。黄色くて夾雑物が少ない、ふわふわのものほど、等級が高くなります。


細く捻っていきます。

円錐状に艾をひねります。大きさはお米の半分くらいですお灸用の太めの線香で火をつけます。

ほんわりひねると、シュッと素早く火が通ります。

大変小さいですが、火がお肌に触れるとさすがに熱いので、触れるか触れないかのところで、施術者の指で調整します。

火傷や跡にはならないようにしています。
紛らわしいですが、跡のように見えるのは元々あるシミです…すみません…。



2017/10/07

針の使い方


初診の方には、施術前に鍼とお灸の道具をお見せし、どんなことをするのか、デモンストレーションしています。

ベッドに横になっていただいて、足元や背中など、どんな施術がされているか見えないのは私だったら不安だなと思うからです。

寝てしまえるくらい安心していただける治療を心がけています。

写真の透明の筒は針のカバーではなく、針管といって、針を痛みなく刺すための道具です。
鍼灸は中国から伝来したものですが、この針管は日本で発展したものです。
江戸時代の人が発明したそうです。
(もちろん当時はプラスチックではなく…)

細い針、針管など工業技術の繊細さを追求していくのは日本特有のものだと思っています。

どちらがよいわるいではなく、私も目的に応じて中国針も使うこともあります。その際には針管は使わず、別の手法で行います。

日本の針は、痛みはほぼなく、針管をあてる感じとトントンという振動を感じる程度、もしかしたらわずかにチクっとするかもくらいな感じです。

逆に痛い時は指摘してください。
たまに、痛いのはそこが悪いということですか?と質問されることがありますが、最初の切皮時に痛いのは、施術者の技術の問題も多いかな?と思っています。

ツボのあるところの、お肌と、皮下の組織の弾性、針のサイズに合わせて、針を刺す力やスピードを変えるのですが、その調整がうまくいかないと、やや痛みが生じてしまうことがあります。

あとは顔や指先などは体幹と比較すると痛点が密に分布しているため、チクっとした感覚を感知しやすい傾向です。

針の跡などは基本的にできません。
ただしまれに毛細血管にあたると、皮下出血を起こすこともあります。採血の時と同様、すぐに綿花で圧迫止血すれば、青アザが広がらないので、ご安心ください。

また鍼灸の学校では、大きな血管や神経、臓器にあてることのないよう、解剖学や実技で位置を学びます。各ツボの下にはどんな組織があるのかを考慮した上で、鍼かお灸か、そして適切な刺激量を選んでいます。





2017/10/05

英語の勉強


当院には、英語圏の国の患者さんも、いらしてくださっています。

米軍基地や住宅が近い土地柄ではありますが、それ以外のご縁は、知人や医療機関からのご紹介によるものです。


私は語学が堪能というわけではないため、患者さんの日本語力と、鍼灸ならではの身体から体調を読み取る力のおかげで、成り立ってきました。


日本で生活をしていらっしゃる方ばかりなので、患者さんの日本語と私の英語では、患者さんの日本語力の方が勝ることが多く、日本語の説明で甘えさせていただくこともあります。


でも症状の訴えなどは、英語でもだいたいわかるので、遠慮なく言ってみて頂けたらと思います。


私の語学力は18歳の大学受験時がピークで、そこからはお恥ずかしながら、衰退の一途。
ただ下手でも喋ってみたり、コミュニケーションを取ろうとする気持ちだけは残っております。そして話す力よりは聴く力の方が残っています。


10-18歳までの9年間、英会話の先生が自宅に来てくれて週に1度はお話していたことが、少しは役立っているのかもしれません。


小学校の3年間は海外生活経験のある日本人の先生、中学校3年間はアメリカ人の先生、高校3年間はイギリス人の先生に教わっていました。


中学時代は市の交換留学生で夏休みをカナダで過ごしたりと、語学を学ぶ環境に恵まれすぎて、英語を学びたい欲が満たされてしまい、大学入学以降は、すっかり英語の勉強をサボってしまい、今に至ります。


四半世紀ほど前とはいえ、若い脳に刻んだ語彙は、書いたり、絞りだせば少しは出てきますが、やはり鍼灸の臨床で用いる言葉は新たに勉強が必要…。


海外で体を委ねて鍼灸治療を受けることは、ご不安もあるはず…。

より安心して治療を受けていただけるように、少しずつでも勉強をしていこうと思っています。


2017/01/31

鍼灸治療のバリエーション

一口に「鍼灸」と言っても、その施術方法、道具、治療法の導き出し方には、実に様々なバリエーションがあります。

私自身、専門学校ではベーシックな技術に加え、各流派の高名な先生に様々な手法を教わりました。

ちなみに当院は、中医学をベースに東洋医学的な診断をし、ツボを導き出しています。

技術自体は、開業までの約7年間に、ここぞと思うところで修行させていただきながら、身につけてきたものです。私ができることにも、患者さんの症状に応じ、いくつかの方法があります。

たくさんある鍼灸の手法や流派のうち、どれがベストなのかは比較が難しく、正直わかりません。

ですが、受け手となる患者さんご自身と、施術者である鍼灸師自身、双方にとってフィットする手法であれば、よりよい成果が現れるのではないかと考えます。

例えが適切であるかわかりませんが、それは料理にも似ているかもしれません。

様々な調理方法がありますが、食べる人の好みやコンディションに適していて、調理する人が腕をふるいやすい方法であれば、より美味しい。

衛生面など基本的事項は満たすのは基本で、評判の美味しいお店は、誰にとってもだいたい同じはずですが 、細かく言うとベストは人によって異なるそんな感じに似ているかな?と思います。

一定のマニュアルの下、お得で安定した味が確保されたチェーン店もあれば、料理人修行の末に自分の味を探求したお店もあるでしょう。

ですので、私自身も、鍼灸治療院に突然飛び込む勇気はありません。人柄の相性がよくとも、施術が合うとは限らないかもと思ったりすると、慎重派の私としてはつい緊張してしまいます。

初めてご利用くださる方は、ご紹介+ホームページやパンフレットを見て、検討の上、お越しくださることが多い傾向です。

これまで少ない情報でも当院を選び鍼灸治療を受けてくださった皆様には感謝の気持ちでいっぱいです。


鍼灸という、それほどメジャーではないものを検討していただくには、情報量が少ないなと反省し、もっと鍼灸についてご紹介していきたいと思っています。

2017/01/30

当院の大切にしていること3 「エビデンス(根拠)に基づく、治療、情報提供を心がける」




鍼灸治療を受けていただくにあたり、心地よく過ごしていただける振る舞いであるよう心がけたいと常に思っています。

それと同時に、鍼灸を受けることで、どれくらい症状が改善するのかということについての、統計的なデータに基づく冷静な情報提供も行うことに努めています。

もちろんお一人お一人、お体や状況は違うので、その方が鍼灸治療を受けた場合と受けなかった場合がどうかを、本当の意味で比較することは不可能で、統計データはあくまでも目安です。それでも、主観ではなく、なるべく客観的に評価することは怠らないようにしたいと思います。

それが、最適な治療方法、治療頻度を導き出す指標として役立つからです。

本当は、「鍼灸で何でも治せます!」「絶対治ります!」「一発で治せます!」と言えたらカッコいいなと思います。

むしろあえてそう言い切ったら、患者さんが安心して身を委ねてくださって、よい結果に繋がるかもしれないと思うこともあります。

でも、やはり私にとっての誠実さはそこではなく、客観的な情報をご提供しつつ、万一望む状況につながらなくとも、鍼灸治療を受けるメリットが得られるよう、その可能性をお伝えし、最善を尽くすことです。

小さな治療室なので、検査などによる客観的データは入手しづらい状況ですが、治療の精度、サービスの向上のためにも、なるべく評価を行なっていきたいと思っています。


2017/01/27

当院の大切にしていること2「患者さんの最大メリットを考える」



「はり師」「きゅう師」の国家試験まであと1ヵ月を切りました。
今から15年前、多くの科目にくらくらしながら追い込み勉強していたものです。

鍼灸師になるには、どんな勉強が必要だと思われますか?

試験科目は次の通りです。

医療概論(医学史を除く。)
衛生学・公衆衛生学
関係法規
解剖学
生理学
病理学概論
臨床医学総論
臨床医学各論
リハビリテーション医学
東洋医学概論
経絡経穴概論
東洋医学臨床論
はり理論
きゅう理論

東洋医学の勉強は半分で、あと半分は現代医学の科目です。
(実際の授業ではこれらの国家試験科目に加えて、実技やその他臨床に必要な授業が行われていました。)

私が大学卒業後、会社員を経て、専門学校に入り直した際に、鍼灸師という資格を信頼できると思ったのは、まず目の前に患者さんがいらした時に、「鍼灸の適応か」を見極める姿勢があるところでした。

古の東洋のノウハウに固執するわけでは決してなく、現代の医療についてきちんと学び、そちらを優先すべきれあれば、医療機関に患者さんをおつなぎする、そのために必要な知識を徹底して学びます。

基本的に鍼灸は、何か効果のある薬物を注入するわけでも、オペをするわけでもなく、患者さんが自ら治る力をサポートする療法です。

現代医療を否定して、自然治癒力のみを重視するのは、患者さんにとっては不利益が生じることもあります。

ベストはハイブリッド、両方のいいところをとっていくことだと思います。

患者さんを抱え込むのではなく、医療におつなぎするほうが、患者さんにとって効率がよいならば、ぜひそうすべきなのは、当然のことですが、その見極めとつなぎのスムーズ化のするために、開業前から医療機関で勤務したり、医療機関とつながりながら鍼灸を行うことにこだわってきました。

もちろん、鍼灸治療は毎日行っても問題ないもので、頻繁に利用してくださったら私もうれしいですが、治療の頻度は必要最低限で済む方法を常に考えています。

(もしかしたら、ぐいぐい勧めないことで、頼もしさを損なっているかもしれないとは常に思っているのですが・・・)

現代医療のことも学びながら、医療従事者の方とつながりながら、患者さんにとっての最大メリットを考えた治療頻度、方法、生活習慣の工夫などをご提案しています。

当院の大切にしていること1「鍼灸のみでいかに心地よく、楽になっていただくか」
当院の大切にしていること3「エビデンス(根拠)に基づく、治療、情報提供を心がける」



2017/01/26

当院の大切にしていること1「鍼灸のみでいかに心地よく、楽になっていただくか」

一般的に呼ばれている鍼灸の施術を行う者を「鍼灸師」というのは通称です。

実は、「はり師」と「きゅう師」というそれぞれの国家資格が必要となります。

専門学校及び大学で3年間以上学び、国家試験に合格すると取得できます。

その他に東洋医学系の資格としては、「あんまマッサージ指圧師」という資格があります。
現在は、「はり師」「きゅう師」「あんまマッサージ指圧師」と3つの資格を同時に取得するコースが多いかもしれません。

私は、大学卒業後会社員を経て、昼間働きながら夜間のコースで学びました。
入学当時の17年前は「はり師」「きゅう師」の2つの資格しか取得できないコースでした。

法的には「あんまマッサージ指圧師」のみがマッサージを行うことができますが、現実には様々な民間資格の方が行っているかもしれません。

私自身も学生時代、リフレクソロジーとオイルトリートメントのサロンに勤務していた経験がありますので、直接肌に触れて行う施術も技術としては持っていますが、鍼灸師になって以来、一旦封印し、「はり師」「きゅう師」の資格で許可された範囲で勝負しようと決意しました。

マッサージのオプションで鍼灸を行うのではなく、鍼灸のみで治療をする現場にこだわって勤務し、経験を積んで現在に至ります。

鍼灸のみでいかに心地よく、楽になっていただくか、そこを徹底して考え、訓練してきました。
痛くなく、熱くなく、でも効果があり、持続するようにするか、常に向かい合う課題です。
うたたねをしながらでも、心地よく受けていただけるよう努めています。

当院の大切にしていること2「患者さんの最大メリットを考える」
当院の大切にしていること3 「エビデンス(根拠)に基づく、治療、情報提供を心がける」

2016/06/24

逆子の鍼灸治療について 2

逆子を治す目的で当院をご利用くださる方のデータをまとめてみました。

(2011年7月1日〜2017年2月28日現在)

逆子の治療にいらっしゃる方は患者さん全体の3割でした。

鍼灸治療のみで逆子が治った方は約7割

平均治療回数は1.8回でした。

実際には、ご体調や治療開始の週数も結果に影響しますので、さらに正確なデータは今後もまとめていきたいと思っています。







2014/07/14

【見えない力と体の関係2:気圧と台風】



【見えない力と体の関係】シリーズ、
ゆるやかに続けて行きたく思っています。

今回は気圧と台風です。

先日の大きな台風がやってくる前あたりから
体調を崩している方が多いようです。

さらに台風一過の暑さにも参っていらっしゃる方も
多いのではないでしょうか?

これは気圧の変化に私たちの体は影響されやすいからなのです。


そもそも気圧とは何なのでしょうか?


気圧の仕組みについて、何回かにわけてご紹介したいと思います。


まずは相手を知ることが攻略の秘訣。

大きな気圧の変化をもたらす台風について調べてみました。




■台風とは?



台風とは、熱帯の海の上で生まれた低気圧です。


その熱帯低気圧のうち、最大風速(10分間平均)が

およそ17m/s以上のものを「台風」と呼びます。

参照:日本気象協会HPhttp://www.tenki.jp/docs/note/typhoon/page_1




■台風の番号と名前の付け方



先日やってきた台風8号ノグリーは

非常に強い台風でした。

この台風の番号は、毎年1月1日から

発生した順にカウントされます。

でも、このノグリーって、ノグリーって…!


不思議なネーミングが気になっていましたが、

なんとこれは韓国語で「たぬき」を表すそうです。

でも確か昔はアメリカの人の名前がついていたような…。


そうなんです!


今回調べてみて初めて知ったのですが、

2000年から台風の名前のつけ方が変わったらしいのです。

北西太平洋または南シナ海の領域の国の言語で

あらかじめ140個の名前が用意してあり、
それを順につけていきます。

最後の名前まで行くとまた最初に戻るそうです。

参照:気象庁HPhttp://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/typhoon/1-5.html



■台風のしくみ



気圧とは空気の重さです。


地球の表面には均一に空気が分布しているのではなく、

空気の多いところと少ないところがあります。

多いところから少ないところに空気が流れ込むと

そこから上昇気流が生まれ、
水蒸気を吸い上げて雨雲を作ります。

それが低気圧の正体です。


その中でも特に大きな渦とパワーを持つのが台風。


実際に風雨が強い時より、台風が近付く前の方が

体調や気持ちが不安定になるのは、
風や雨は低気圧の結果生まれるものであって、
気圧が下がること自体が身体、特に自律神経に影響を及ぼすからなのです。

参照:日本気象協会HP
http://www.tenki.jp/docs/note/typhoon/page_2



高気圧と低気圧、気圧の変化と身体への影響については、

次回に続きます。

2014/06/14

【見えない力と体の関係1:引力】



前のクールに放送されていた朝ドラ「ごちそうさん」で、
ヒロインの娘ふくが、見えない物理的な力に惹かれる話がありましたが、
私も最近、地球や宇宙の見えない力と身体の関係の魅力にとりつかれています!

皮膚という一枚の薄い膜を隔てた内側が、私。その外側は世界。
たった一枚の膜だけで、外の見えない力に負けず、
内側を一定の温度、水分量などの状態に保とうとする体の健気さには感動します。

まずは引力との関係から…。

昨日は満月でした。
その前後の期間は大潮と呼ばれ、月の引力と太陽の引力、
両方の影響が潮の満ち引きに表れます。

この影響は生物にもあり、海の生物は大潮の時期に産卵が多いそうです。

人の出産も大潮の後などに多いと助産師さんからも聴きます。

また女性の月経周期もこれに近く、月経、排卵が、
満月や新月に起こる方も多いようです。

はっきりとしたデータはありませんが、
あの大きな海の水が動かされるのですから、
水分の多い私達の身体も影響を受けているという仮説をもっても
よいのではないでしょうか?

今後、調べてみたいと思っています。

ちなみに、私自身大潮の時は浮腫みやすくなります。

引力だけでなく、その他の力の変化の複合的な影響を受け、
身体のバイオリズムはできています。

命を乗せた船で漕ぎ出す人生という名の航海に気象の知識は大切です。

身体やそれを影響するものについての知識を持つことは、
人生を豊かに生きるためのサポートになります。

今後も少しずつまとめて、ご紹介していきたいと思っています。

参照:

JAXA
http://www.jaxa.jp/countdown/f13/special/moon_j.html

国立科学博物館

http://www.kahaku.go.jp/exhibitions/vm/resource/tenmon/space/moon/moon04.html

日本海事広報協会

http://www.kaijipr.or.jp/mamejiten/shizen/shizen_16.html

野口鍼灸 Noguchi Harikyu 
 
ご予約 0467-80-2975  
 
 不定休